超伝導:超音波がUTe2の状態を明らかにする
· BehindLines 編集部
ひとつの物質は、複数の超伝導を同時に宿せるのでしょうか。コーネル大学を中心とする研究チームが、二テルル化ウラン(UTe2)について新たな知見を示しました。同大学は10月30日、二つの状態が共存する条件を明らかにする実験を発表しました。この成果は研究の一つの方向性を強めますが、量子コンピューターに期待されるトポロジカル超伝導体の存在を確立するものではありません。
焦点は相図です。相図とは、温度、圧力、磁場に応じて物質の状態を示した地図のことです。研究者たちはプレプリントの中で、この図上で相の境界がある点で出会っているように見えることは、熱力学的にはあり得ないはずであり、問題を生じさせると説明しています。つまり、これまでに発表された相図は熱力学と整合しないと彼らは考えました。
より明確に調べるため、チームは物質に超音波パルスを送りました。音速に特徴的な跳ね上がりが現れ、相と相のあいだに新しい境界があることがわかります。解析からは、四つの領域が出会う点、いわゆる四重臨界点が浮かび上がり、その先では複数の超伝導成分が組み合わさった状態が現れます。
この振る舞いには、もう一つ特徴があります。さらに冷やすと、ひとつの超伝導秩序が消えることがあるのです。チームはこれを、二つの成分が競合し、一方が他方を押しのけるためだと説明しています。したがって、冷却を進めても、この物質に存在するすべての超伝導が強まるとは限りません。
コーネル大学によれば、実験は1ケルビンから2ケルビンのあいだ(およそ零下272度)の極低温かつ高圧下で行われました。この研究は基礎研究にとどまり、すぐに動かせる計算素子や、室温での応用を示すものではありません。大学の発表とプレプリントは同じチームによる同じ研究についてのもので、独立した二つの再現実験ではありません。プレプリントは3月に投稿され7月に改訂されました。コーネル大学は、この研究が10月30日に『ネイチャー・フィジックス』誌に掲載されたと発表しています。