赤色巨星の過去が、磁場の読み取りを変える可能性
· BehindLines 編集部
恒星の内部に隠れた磁場を推定するには、現在の姿と同じくらい、その星の歴史が重要かもしれない。オーストリア科学技術研究所(ISTA)は10月29日の紹介で、別の恒星から物質を取り込んだ赤色巨星についての研究を説明した。
Nicolas Munteanらの研究は、9月8日にarXivへ投稿された原稿に記されている。原稿にはAstronomy & Astrophysicsに受理されたとある。最近の発表と原稿の最初の公開は、別の段階に当たる。
内部を見ずに星の振動を調べる
天文学者は、恒星の振動に伴う小さく規則的な明るさの変化を使って、その構造を探る。この星震学という手法では、磁場が振動に及ぼす影響も研究できる。
ISTAの説明が指摘するのは、モデル化の難しさだ。ずっと単独で進化したと仮定するモデルは、質量を増やした星を適切に表せない場合がある。同じ信号からでも、磁場について異なる解釈が導かれ得る。
二つの進化の歴史を比較する
著者らは、赤色巨星の段階に入った後に質量を獲得する過程があるモデルと、ないモデルを作成した。モデルの格子は、太陽の1.1倍から2倍の質量を対象としている。
弱い磁場の場合、太陽の1.6倍を超える質量では、物質を獲得したモデルの磁場への感度が、総質量の等しい孤立したモデルの数倍になることがある。強い磁場の場合には、光の信号に含まれる一部の振動を大幅に減衰させ、ほぼ見えなくするために必要な磁場も、このシナリオでは弱くて済む可能性がある。
条件付きの解釈
結果が扱うのは、モデル化された歴史と観測される信号との関係だ。結論は、モデルが表す進化の経路に依存する。すべての赤色巨星が伴星を取り込んだという意味でも、一つの磁場がすべての星に当てはまるという意味でもない。
研究者らは、内部の磁場を推定する前に、星の過去をより厳密に絞り込むことを提案する。感度の変化を、磁場の強さそのものの違いと取り違えないことが課題となる。