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1979年の採掘試験の痕跡、太平洋の海底堆積物に今も残る

· BehindLines 編集部

深海採掘の試験から44年が経った今も、太平洋の海底堆積物に含まれる有機物は、隣接する乱されていない場所に比べて量が少なく、質も低い。リバプール大学のレイチェル・ジェフリーズ(Rachel Jeffreys)氏が率いる研究の結論で、科学サイトPhys.orgが2026年11月2日に紹介した。試験自体は古く(1979年3月)、試料採取は2023年に行われた。論文は2026年11月2日に公表された。

研究が示すこと

Phys.orgによると、この研究は学術誌『Elementa: Science of the Anthropocene』(第14巻第1号、論文番号00106)に「Long-term impacts of deep-sea mining on sediment organic matter quantity and quality」(DOI 10.1525/elementa.2025.00106)の題で掲載された。今回の訂正では論文全文を参照し、公開日が2026年11月2日であることを確認した。

調査地は太平洋中部のクラリオン・クリッパートン海域(Clarion-Clipperton Zone)で、Ocean Minerals Company(OMCO)が1979年3月に採掘試験を行った場所である。Phys.orgによれば、100トンの機械が残した跡は、今でも見える。2023年、研究チームは約1か月現地で作業し、水深約4800メートルで堆積物のコアを採取した。採取には、採掘跡とプルーム域では遠隔操作機ISISを、約2キロメートル離れた対照地点ではMegacore採泥器を使った。

研究者らは、炭素と窒素の含有量、脂質バイオマーカー、安定同位体の分析によって、有機物粒子の量と質を測定した。結果は、採掘区域では有機物が少なく質も低く、組成や粒子の大きさも対照地点と異なるというものだった。静止画と動画の映像からも、乱された堆積物では大型の動物や単細胞生物が少ないことがわかる。著者らは、こうした個体数の少なさを有機物の減少と結びつけている。Phys.orgは割合や個体数を示していない。

なぜ重要か

海底では、海面から沈んでくる有機物が生物の餌になる。Phys.orgが引用するレイチェル・ジェフリーズ氏によれば、この物質の量と質の変化は、海底の生物が利用できる餌に影響し、ひいては採掘後に群集がどう回復するかにも影響しうる。同氏は、採掘試験の影響が40年以上たっても検出できること、そしてこの結果が長期的な監視の必要性を示していると述べている。

2025年にも調べられた場所

同じ海域は、『ネイチャー(Nature)』に掲載された研究の対象にもなっており、リバプール大学が2025年3月26日に紹介した。英国の自然環境研究会議(NERC)が資金を出すSMARTEXプロジェクトの一環で、2023年に調査船RRSジェームズ・クックで航海し、国立海洋学センターのダニエル・ジョーンズ(Daniel Jones)氏が率いた。この発表によると、掘削跡は当初とほとんど変わらない様子で、そこでは動物の数が減っていたが、堆積物表面にすむ小型の動く動物や、大型の単細胞生物であるクセノフィオフォア(xenophyophores)には部分的な回復の兆しがあった。海底に固着する大型動物は依然としてきわめてまれだった。長く大きな脅威と考えられてきた堆積物の煙(プルーム)は、長期的な物理的影響が限られ、動物の数への悪影響も検出されなかった。利用できる餌は跡の内外で同程度に見えたが、跡の中のほうがむらがあった。2026年の研究はこの2025年の分析を深めたもので、別々の航海の間の変化を測ったものではない。

限界

これは1か所、1回の試験の結果であり、しかも半世紀近く前のものである。この結果だけで商業採掘の影響を予測することはできない。リバプール大学によれば、2025年の研究の共著者アドリアン・グローバー(Adrian Glover)氏も、結果は深海採掘が社会的に受け入れられるかという問いに決着をつけるものではないと強調している。著者らは有機物と動物の個体数との関連を示しているが、これだけで因果関係が証明されるわけではない。

出典