BehindLines

森林と地下貯留のリスクを比べる共通の指標

· BehindLines 編集部

森林プロジェクトのリスクと、二酸化炭素の地層貯留のリスクをどう比べればよいのか。研究者らは「カーボン・アット・リスク(Carbon at Risk)」と名づけた共通の指標を提案している。Phys.org が 11月6日に転載したエクセター大学の発表によると、この指標を扱った論文は科学誌「Nature Climate Change」に掲載されている。同大学の日付不明のポスターは、同じ研究をこの雑誌に掲載予定のものとして記載しており、雑誌のサイトで掲載状況を直接確認することはできなかった。

ラベルによる説明の限界

Phys.org によれば、炭素除去プロジェクトのリスクは、恒久的か否か、自然を活用するか工学的かといった定性的なラベルで説明されることが多い。そのため、購入者や保険会社には、比較のための共通の数量的な基準がない。ポスターは、市場がこうしたラベルと一律の予備枠の規則に頼っており、それらは引き渡し不足の確率、規模、時期を示さないと補足している。

指標のしくみ

この指標は、技術の種類を問わず、プロジェクトが契約より少ない炭素しか引き渡さないリスクを見積もる。1980年代に生まれた金融の手法である「バリュー・アット・リスク」を手本にしている。ポスターはこれを、一定の信頼水準と期間のもとで、引き渡し義務を確実にするために追加で購入すべき除去量と定義している。また分散の考え方にも基づく。異なるリスクにさらされたプロジェクト、たとえば互いに独立した山火事リスクを抱える森林は、同時に失敗する可能性が低い。

発表によると、この道具は、リスクを加味してプロジェクトを比べる、予備枠の大きさを決める、プロジェクトの組み合わせがポートフォリオのリスクをどう下げるかを試す、保険数理の専門家が逆戻りリスクの保険を設計する基礎にする、といった用途が想定されている。大学研究者や業界関係者とのワークショップで開発され、森林炭素と地層貯留の事例で概念実証として試された。名前が挙がっている著者には、エクセター・ビジネススクールのベン・グルーム氏と、Climate Resilient Solutions のバリ・リー氏がいる。

限界

Phys.org の記事は、この指標の数値を示していない。購入者がリスクやコスト以外の理由で技術を選ぶことはあり得るが、この指標はトレードオフを見える化するだけだとしている。森林には拡大の余地があるものの他の土地利用と競合し、新しい手法はまだ始まったばかりであり、これらの均衡には政府の行動と国際的な調整が必要だという。

出典