イングランド、農業用水の回復を左右する冬
· BehindLines 編集部
イングランドでは雨が戻ってきたものの、干ばつの解消には至っていない。環境庁が11月2日に公表した状況報告によると、天候が湿潤な状態に戻る中でも、国内の82%が引き続き干ばつの影響を受けている。暴風雨オースティンとボエロは一時的な改善をもたらしたが、見通しを大きく変えるには足りなかった。同庁は、春までに干ばつを脱するには、6か月間に平均の少なくとも120%の雨量が必要と見積もっている。
同日に公表された農業向けの報告書は、この冬の状況が2027年の灌漑にどう影響するかを示している。貯水池の補充と、全体として干ばつから脱することを区別したうえで、11月から3月の雨量が長期平均の100%、80%、60%となる三つのケースを比較している。平均並みの雨が降れば、貯水の回復見通しはおおむね良好となる。ただし、ウェスト・ミッドランズ、デボン、コーンウォール、イースト・アングリアでは、中程度の評価にとどまる。
雨量が平均の80%なら、これらの地域の見通しは厳しい評価に下がり、60%なら国内の広い範囲で困難が生じる。問題は降る雨の量だけではない。河川や地下水の水位が低いままだと、許可される取水が制限される可能性がある。報告書はまた、雨が地下水の補充につながるには、まず土壌が十分に湿っている必要があると説明している。
全国農業者組合(NFU)によると、こうした不確実性はすでに農業の判断に影響している。10月30日付の解説で、副会長のポール・トンプキンス氏は、十分な水を確保できる確信がないため、一部の生産者が作付け計画を見直していると説明した。NFUは灌漑設備を点検し、土壌水分の測定なども利用しながら、作物の必要量に合わせて給水を調整するよう勧めている。
ただし、この三つのケースは今後の雨量を予測するものでも、灌漑の一律禁止を発表するものでもない。実際の制限は、水資源の回復と地域の状況によって決まり、次の農業向け評価は2027年2月に予定されている。全国の状況には地域差もあり、北西部は回復段階に入った。次の栽培期に向けた準備では、ある地域で状況が改善しても、すべての農場の貯水が元に戻るとは限らない。