雄牛とオスのロバ、エチオピアで研究者が記録した関係
· BehindLines 編集部 · 更新日
ピサ大学(University of Pisa)の研究者らが、学術誌「Current Biology」で、ある関係について報告しました。通信社UPIとウェブサイトScienceAlertが11月2日と3日に伝えたもので、エチオピアの高地の共用牧草地で観察された雄牛とオスのロバの関係です。ScienceAlertによると、雄牛とオスのロバの間で続く性的な関係が記録されたのは初めてとみられます。ただしDefectorによれば、パラージ氏は「絶対的に初めて」と言い切ることには慎重です。研究対象は1組の動物だけなので、結論には限りがあります。
偶然の発見
ScienceAlertによると、動物行動学者エリザベッタ・パラージ(Elisabetta Palagi)氏が率いるチームは、エチオピアでゲラダヒヒを調べていたとき、近くで、Achilleという名の雄牛とPatrocloという名のオスのロバがやりとりしているのに気づきました。名前はギリシャ神話の英雄アキレウスとパトロクロスにちなみます。UPIによると、2頭は別々の持ち主のもので、夜は離れて過ごし、毎日の放牧のときだけ会います。
研究者が記録したこと
UPIによれば、観察は2頭がそろっていた4日間と、片方しかいなかった4日間にわたって行われました。この間、AchilleはPatrocloに51回乗りかかり、ScienceAlertによればそのうち34回は挿入を伴いました(ScienceAlertとDefectorによる)。雄牛が別のオスのロバに近づいたときには、そのロバは耳を伏せるなどの回避行動を見せましたが、Patrocloは一度も逃げませんでした。
2頭は他の動物に対してより多く、互いをなめ、こすり合い、においを嗅ぎ、観察時間の大半を近くで過ごしました。乗りかかった後の接触はその前より多く、社会的なやりとりを長引かせている可能性がありますが、その機能は確定していません。あるとき、Achilleが別のロバに近づくと、Patrocloがすぐそばまで来て、雄牛はPatrocloのほうに向き直りました。ScienceAlertが伝えるパラージ氏によれば、2頭には同種の両性を含む他の相手候補もいましたが、繰り返し互いを求めました。UPIによると、Achilleは雌牛に対して乗りかかる行動もいくつか示しました。
解釈には慎重さを
UPIが引用したパラージ氏は、このデータは「特別な」関係を描いていると述べています。同僚のマルティナ・フランチェスコーニ(Martina Francesconi)氏はUPIの中で、種をまたぐ性的なやりとりについて分かっていることは少なく、繰り返され、選択的で、自発的かつ相互的な例はこれまで文献にはなかったと指摘します。Defectorによれば、従来の例は嫌がらせとみられるものや取り違えのほうが多いといいます。ただしScienceAlertは、観察が偶然によるもので、1組の動物にとどまり、著者ら自身もこれらの行動の意味は確定しにくいとしていると述べ、動物に人間の感情を当てはめるのは避けるべきだとしています。
これから
ScienceAlertによると、研究のあと、AchilleとPatrocloは別々の牧草地に移されました。絆が続いているかどうかは分かりません。チームは現地に戻って2頭が再び一緒になるかを確かめ、こうした種をまたぐ絆が思われているより多いのかを調べたい考えです。この1組の記録だけでは、こうした絆がどれほど一般的かは分かりません。この事例は11月2日と3日に報道されました。