閉経前後に生理指標の転換、研究結果に専門家は慎重な見方
· BehindLines 編集部
10月12日月曜日に『Nature Medicine』に掲載された研究は、最終月経の前後で、複数の生物学的指標の平均的な変化の軌跡に急な転換が見られると報告した。米国とイスラエルの100万人を超える女性について、1999~2024年の3億件以上の検査データを用いている。集団のデータから変化の軌跡を再構成する手法であり、一人ひとりの最終月経の時期を予測するものではない。
半数を超える指標で転換
研究者は、米国の全国健康・栄養調査(NHANES)と、イスラエルの主要医療機関Clalitの記録という二つの大規模データベースを組み合わせた。米国のデータでは、調べた90種類の検査のうち52種類で、最終月経の時期に明確で統計的に有意な変化が認められた。性ホルモンだけでなく、骨、肝臓、腎臓、血液の生化学的指標、血中脂質にも及ぶ。著者らは、なだらかな坂ではなく、生理的な「崖」と表現している。
同年齢の男性には、同様の急な変化は見られなかった。研究チームは、これが加齢だけでなく、閉経への移行そのものに関係することを示すと考えている。また、一部のホルモン関連指標は月経が止まる10年以上前から低下し始め、従来考えられていたよりもかなり早いことが分かった。
専門家は慎重な解釈を求める
「崖」という比喩に、誰もが納得しているわけではない。オーストラリアの公共放送ABCの取材に応じた専門家は、これは観察研究であり、集団全体の関連を示しても、それぞれの女性の経験を予測することはできないと指摘する。Martha Hickeyは、不必要に不安をあおる表現だと考え、ホルモン療法を受ける女性は治療前から他の参加者と異なる可能性があると強調した。Ada Cheungは、閉経前後の健康評価の意義を重視する。Uri Alonは、より早い骨の健康状態の確認や、治療について医師と話し合うことを提案しているが、これは研究から得られた合意に基づく推奨ではない。
なぜ重要なのか
閉経は人口の半数に関わるが、骨、心臓、代謝の健康への影響は過小評価されがちだ。変化が最終月経の前後に集中するのであれば、この時期は骨密度やコレステロールなどを確認する医療フォローの重要な機会になるかもしれない。著者らは、何より今後の研究の枠組みと位置付けており、他の集団でも結果を確かめる必要がある。