ケルンの実験、将来のトポロジカル量子ビットへ手掛かり
· BehindLines 編集部
ケルンで測定された量子状態が、将来の量子コンピューターを外乱の影響を受けにくくするための研究手法に、新たな裏付けを与えた。ケルン大学が11月2日に公表した発表によると、実験の複数の結果は理論上の予測と一致している。ただし、研究者が目指す「トポロジカル超伝導」への転移は、まだ確認する必要がある。この留保が、今回の結果をどこまで解釈できるかを決める。
Yoichi Andoのチームが調べたのは、Josephson接合と呼ばれる構造だ。二つの超伝導体が、それ自体は超伝導ではない領域を介してつながっている。間にある材料はトポロジカル絶縁体で、内部では電流が流れず、表面では電流が流れる。研究者はトンネル分光法を用い、二つの超伝導体の位相差を変えながら、接合の中にどのような量子状態が存在するかを調べた。
測定では、装置内の電子と正孔の相互作用に関係する、透過率の高いAndreev状態が現れた。こうした状態は、電荷を運ぶキャリアの密度を変えても観測された。また、磁場をかけると接合内の特定の領域に集中した。これらの観測結果は、Liang FuとCharles Kaneが2008年に提案したモデルや、RWTH Aachen Universityの共同研究者によるシミュレーションと一致する。
研究の狙いは、材料中の珍しい状態を特定することだけにとどまらない。トポロジカルな手法は、ある種の局所的な外乱から量子情報を保護できる可能性のある性質を利用しようとしている。その見通しを評価するには、予測された振る舞いを観測すること、それを説明する物理的な状態を確認すること、情報の保存や処理に役立つ機能を実証することを分けて考える必要がある。今回発表された実験は、このうち最初の段階に知見を与える。
次に確かめるべきなのは、エネルギーギャップがいったん閉じ、その後に再び開くかどうかだ。これは、物理的な状態の変化に伴うと予測される特徴である。チームは確認のために、測定のエネルギー分解能と時間分解能を向上させる必要があると考えている。Science Advancesで発表された今回の研究は、さらに調べるための実験的な基盤を示した。情報が実際に保護されるかという決定的な問いは残っており、トポロジカル量子ビットへの応用は、その答えに左右される。