抗菌薬を求める症状申告、調査結果をどう読むか
· BehindLines 編集部
JAMA Network Openが10月30日に公表した調査では、分析対象となった米国の成人959人のうち268人が、抗菌薬を得るために症状を誇張したり、実際にはない症状を伝えたりした経験があると回答した。27.9%という割合は、この標本の回答を示している。著者らによると、標本は米国の人口を十分に代表するものではない。
参加者が報告したこと
オンラインの質問票調査は2026年1月8日から2月13日まで実施された。商業調査パネルから募った参加者は、18歳以上で英語を読めることが条件だった。研究者らは、実際に感じている症状を誇張することと、存在しない症状を申告することを区別している。
該当する268人のうち206人は、こうした方法で少なくとも一度は抗菌薬を入手できたと考えている。これは本人の記憶に基づく回答であり、診療内容の確認や、それぞれの処方が必要だったかどうかの判断は行われていない。
著者らは、無作為抽出ではない募集方法、代表性の不十分さ、記憶や自分を好ましく見せたい気持ちによる回答への影響など、複数の限界を挙げる。こうした偏りによって行動が実際より少なく報告される可能性があるという。結果は予備的なもので、仮説を立てるために役立つと位置づけている。
不要な処方を促さずに話を聴く
ユタ大学は研究の紹介で、具体的な動機を挙げている。ひどく具合が悪いと感じること、仕事に戻るため早く回復したいこと、抗菌薬しか解決策がないと思うことなどだ。治療の意思決定を自分で掌握していたいという思いにも触れている。
研究者らは、患者を一律に疑う対応を提案しているわけではない。患者がこうした不安を伝え、処方について分かりやすい説明を受けられる対話のあり方を検証したいとしている。
大学は、抗菌薬は細菌感染症の治療に使える一方、ウイルスには効かず、有害な作用を起こす可能性もあると説明する。その使用は薬剤耐性の問題にも関わる。示されている課題は、信頼と情報交換の質を高めることだ。話を聴いてもらえたと感じることと、必ず薬を処方してもらうことを混同しない姿勢が求められている。