へびつかい座70番星:16光年先の1855年の謎、巨大ガス惑星は見つからず
· BehindLines 編集部
1855年から存在が疑われてきた巨大惑星は、おそらく存在しない。ミシガン大学が率いるチームは、約16光年先の連星系「へびつかい座70番星AB」について1世紀分の測定を見直し、調べた範囲では木星以上の質量をもつ天体を見つけられなかった。同大学の発表を伝えるScienceDailyによれば、より小さな惑星の可能性は残っている。
静かな隣人
二つの情報源によると、へびつかい座70番星ABは地球から3番目に近い連星系で、ケンタウルス座アルファ星(4.2光年)とはくちょう座61番星(11.4光年)に次ぐ。天の川銀河の恒星系の約半数は、少なくとも2個の恒星をもつ。1855年に英国の天文学者ウィリアム・ジェイコブがこの系に惑星があると提唱し、これはこの種の系で初の公式な系外惑星候補となったが、その説は支持されなかった。
チームの取り組み
研究者らは、過去の視線速度の測定に、口径6.5メートルのマゼラン・クレイ望遠鏡(チリ、ラスカンパナス天文台)と口径2.7メートルのハーラン・J・スミス望遠鏡(米テキサス州、マクドナルド天文台)による新しい観測を組み合わせた。ポスドク研究員のYiting Li氏が主導した成果は『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載され、天文学科長のマイケル・マイヤー氏が上級共著者を務める。チームには十数の機関が参加し、NASAジェット推進研究所やカリフォルニア工科大学のIPACも含まれる。
結果とその限界
恒星Aから5天文単位以内にも、恒星Bから0.5天文単位以内にも、木星以上の質量の惑星は現れない。巨大惑星の存在を示唆しかねなかった視線速度の「揺れ」は、恒星表面の活動で説明するほうが妥当だという。Li氏は、この研究が示すのは「禁止ではなく上限」だと強調する。土星サイズの惑星や、ハビタブルゾーンにある岩石惑星も除外されておらず、それだけで生命の存在が証明されるわけでもない。マイヤー氏はこの上限が今後より良い探索を設計する助けになると見ており、同大学は連星系を狙う宇宙ミッションSHERAの研究チームに加わっていて、へびつかい座70番星ABはその対象の一つである。