大腸がんの細胞地図、年齢に伴う違いを示す
· BehindLines 編集部
若い人の大腸がんでは、腫瘍を構成する細胞や一部の遺伝子の働きに違いが見られる。10月29日にNature Medicineで発表された研究は、その特徴を地図のように整理した。ただし、これらの特徴だけで病気の悪性度の高さを説明できると証明したわけではない。
年齢の連続的な変化に沿って腫瘍を比べる
研究者は189個の腫瘍を分析した。50歳未満で診断された人の54個と、50歳以上で診断された人の135個である。保存組織を使い、細胞核内の遺伝子の働きを調べた。
分析は二つの集団の比較にとどまらず、年齢に伴う段階的な変化も検討した。複数の比較では、腫瘍の部位や病期、性別、過去の治療を考慮している。
マイクロサテライト安定型と呼ばれる腫瘍では、若い患者の方が支持細胞の割合が高く、上皮細胞の割合が低かった。論文要旨によると、この傾向は、多重分光免疫蛍光法と計算解析によって、同じ亜型の712個の腫瘍からなる外部の標本群でも確認された。このうち18個は50歳未満で、694個は50歳以上で診断された人の腫瘍だった。
ほかの違いには、タンパク質の製造に直接使われない長鎖非コードRNAや、細胞間の一部のやり取りが関係している。それらの詳しい役割は、さらに調べる必要がある。
研究のための資源であり、新治療の実証ではない
Mass General Brighamによると、測定対象は標本中の腫瘍細胞やその他の細胞で、合計850,000個を超える。これは調べた細胞の数で、参加した人の数ではない。
同機関の発表は、手法上の限界として、採取できた免疫細胞が比較的少なかった点を挙げる。このため、年齢による免疫応答の違いに関するすべての疑問には答えられない。
観察された関連は、病気の仕組みを調べる手掛かりとなる。一方で、若年成人の診断増加の原因や、薬の有効性を証明するものではない。
この地図は主に、仮説を立て、その後に検証するためのものだ。研究チームが言及する予防、診断、治療の可能性は、今後の研究目標である。